「俺がさっき言った《俺の気持ち》って言うんは、日和のおかげでピアノを再開出来た事と日和を探してたって事やで。確かに怪我して辛かったけど、それはもう昔話」



涙を拭ってくれた指は、いつの間にか私の頬を包む。


「俺にとって日和に出会えた事は神様からのプレゼントやと思ってる」

そう言う鈴原くんの顔は真っ赤。



私も真っ赤になる。




「日和を見つける事が出来て日和を知っていくと、どんどん好きになっていった。絶対俺の方が好き」



だめだ、また涙が溢れる。




「改めて言わせて。俺を救ってくれてありがとう」


ぎゅっと抱きしめてくれる。




「俺と付き合って」



溢れる涙を止める事が出来ない。




「…はい!!」




さらに強い力で抱きしめてくれる。



「はー…!!やっと言えた!!」


そう言って私を見る鈴原くんの表情が優しくて、でもなんだかちょっと泣きそうな顔で思わず私はキスをしてしまった。



「鈴原くん、泣きそうに見えて…」

自分のした行動に恥ずかしくなる。