「日和、コーヒーと紅茶やったらどっちが好き?」

「紅茶かな」

「オッケー」


氷の入った冷たいアイスティーを出してくれた。


「美味しいー」


「暑い中悪かったな」


「ほんとに謝らないで!!鈴原くんのピアノ聴けて幸せ過ぎたよ」


鈴原くんはニコッと笑って


「俺は日和にたくさん救われてるんやで」


え?

「私…?」


「そう。お前ね」


優しい目に吸い込まれそう。


ドキドキしっぱなしだよ。



「私、何かしたかな!?」

「うん、してくれた」


内容は言ってくれない鈴原くん。



もう!!


「教えて欲しいよ」


「聞いてくれるん?」



ちゃんと伝えるんだ。


「うん。ちゃんと聞かせて?…鈴原くんをもっといっぱい知りたいの」


あー!
顔が真っ赤になってるのがわかる!!

恥ずかし過ぎて穴があったら入りたい。



「…………」

沈黙。


何も言わない鈴原くんに不安になって顔をゆっくり上げると、顔に手を当てて少し俯き加減。


「どうしたの!?しんどい!?」



急にガタッと席をたち、こっちにやってきて私を抱きしめる。


「…日和のアホ…。今日は絶対手を出さへんって決めてたのに」


抱きしめる力が強くなる。


「そんな可愛い事言われたら我慢出来ひんくなる」



その言葉にさらに顔が赤くなる私。

鼓動も速い。




「なぁ日和…キスしたい」


ドキンッ


「だめ?」


ずるい。

だめって言う訳ない。



「…キスだけだよ…?」




鈴原くんはフッと笑って

優しいキスをしてくれた。