鈴原くんのお家の前に着いた。


すでに汗だくでちょっと恥ずかしいけど。。



時間は10:55。
間に合った。


インターホンを鳴らそうとしたら

〜〜♪

大好きなピアノの音色が聴こえてきた。


鈴原くん、練習してるんだ。

邪魔したくない。
何より、この美しい音色を聴いていたい。




時間を忘れて聴いているとふとピアノの音が止まった。

スマホを見ると11:13。


あっ!
11時過ぎてる!



すると

ガチャッ



「日和!来てたん!?」

「あっおはよう」

「いつからいたん?俺、練習してて時計見てなかってさ。ほんまにごめん」

「え!今きたところだよ!」


私の頬を触る。


「暑い。俺が弾いてたから絶対待ってたな」

「違うって!」

「ほんまにごめんな。時計見て焦った。日和来る途中なんかあったかと思って迎えに行こうと思ってさ」


本当に優しいな、鈴原くんは。


「立ち話でごめん!どっか行こうと思ってたんやけど、ちょっとうちで涼む?」


ドキ。


「…いいの?お母さんいらっしゃるんじゃ…」

「母さん仕事やから大丈夫。今俺だけやし」


そっか。
お母さんいらっしゃらないんだ。


「じゃあ…お邪魔します…」


なんか、すごいドキドキする。

2回目の鈴原くんのお家。