「何かあった?」 


ドキッ

「えっと…」


いざ聞かれると何て言えばいいか…!!




「せっかくやし、どっかぶらっとして店でも入る?」


「いいの!?うん!!」


わぁ!!
鈴原くんと外をブラブラ出来るなんて!!




今までは1人かお母さんとしか歩かなかった場所を、桜ちゃんや鈴原くんと歩いてるのが信じられない。



緊張でちゃんと歩けてるかわからないぐらい気持ちがふわふわしてるけど、なんだかこれって…


デートみたい!!!!




ただ


「……」
「……」


ずっと沈黙。
何か話さなきゃ。何か。

どうしようー

キョロキョロしていると、ふと目に止まったお店が。



「わっ!これ可愛いー」

店頭に並んでいたイヤリング。
お花の柄ですごく可愛い。


「こういうのが好きなん?」

「あっ!ごめんね!ついつい…」

「日和に似合いそう」


あっ

「やっと笑ってくれた…」

嬉しい。

「え?」

「鈴原くん、会ってから一回も笑わなかったから…」


不安だった。
楽しくないのかな。

やっぱり先週のこと、何か怒っているんじゃないかなって。



「あー…ごめん」

私の頬をぷにっとつねる。

体温が伝わってきて一気に鼓動が早くなる。



「先週なんかさ…あんなダサい帰り方してもて…てかそもそも怖い思いもさせてもたし何て言えばいいかって思ってたら話せなかった」


鈴原くんも先週の事、気にしてくれていたの!?


「そうだったの!?私も怒らせちゃったかなって…」

「え!何で俺が怒んの!?逆やと思う。それに…」

「?」

「なんか日和、今日化粧してる?」

「あっうん…わかった?」


気づいてくれた!!
変じゃないかな!!??
引いてないかな!!??


ドキドキドキドキドキドキ


「いつも可愛いけどさらに可愛くて余計うまく話せなかった」




ズキューン!!!!



可愛い!!??

えっ
いつも可愛い!!??


信じられない言葉がたくさん聞こえる。

少し顔を赤くしながら話す鈴原くんが愛しくて愛しくてたまらない。



もう、だめだ。




ぎゅっ!!!!



気付けば私は鈴原くんに抱きついていた。



「日和?」


今なら言える。


フラれたっていい。
避けられたっていい。


今伝えなきゃ、もう2度と言えない気がするから。




「好きです」