強く握られていたせいの痛みが薄れていく。


男が手を離したから。



「俺の連れに何してんの?」


足立くん!?



足立くんが男の腕を掴んでいる。



「よかったら俺が相手するけど?」


背の高い足立くんから凄まれると、すごい迫力。




「べっ別に用はねーよ!」

そう言って男たちは去っていった。





「足立くん、ありがとうございます!!」

「全然!てかなんで敬語?」


足立くんはあははと笑っている。



「たまたま歩いてたら見かけてさ。まさか桜たちとは」


「…ありがとう」

ぼそっと呟くように言う桜ちゃん。



「何してたの?」

「えっと、お茶したり買い物してて今は鈴原くんを待っているんです」


いつもはたくさん話す桜ちゃんがだんまり。

なので私が話すんだけど、足立くんってなんだか雰囲気が大人っぽ過ぎて少し構えちゃう。



「ふーん。悠来るんだ」

「はい、もうちょっとしたら」


「なぁ桜。なんで返事くれねーの?」

返事?


「返すような内容じゃないから」

「冷たいなぁー」


あっ!
この前連絡先交換してた!(ほぼ足立くんの強制的だったけど)



全然笑わない桜ちゃん。


どうしたんだろ。。




ポンッ

足立くんが私の頭に手を置いた。


「日和ちゃんからも桜に言ってくれるー?返事ぐらいしろって」


「日和、こんなの無視でいいからね」

「こんなの!?ひでー!」


なんだか2人の関係は良くない感じ…??