いつもの道なのにメイクをして歩くと景色が全然違って見える。



「せっかくやし悠に見せたら〜?」

「え!?」


会いたい…
見てほしいけど…


「連絡して迷惑じゃないかな?」


まだやっぱりためらっちゃう。



「あーもう!めんどくさいから私がする!」

「桜ちゃん!?」



プルルルル—…

しかも電話!!??



なかなか出ない。

やっぱり忙しいよね。




「もしもし」

出た!!!!



「今どこ?」

「家やけど、何?」

「今日和といるねん。日和、そっち行っていい?」

「…桜たちどこいるん?迎えに行く」


桜ちゃんは私の方を見て、親指と人差し指で◯を作った。

オッケーって事かな。


「ほんま?私ら駅前の広場におるよ」

「わかった。そこで待ってて」


プツ



「今からこっちに迎えに来るって」

「嘘!!来てくれるの!?」

「うん、だから待っとこっか」

「付き合わせてごめんね。桜ちゃん、ありがとう」

「ぜんぜーん♪メイクした日和を見た時の悠の反応も見たいし」


どんな反応してくれるかな。
てか、気付いてくれるかな。


ドキドキ



「誰か待ってんの?」