「2人ってさ、大切な事話してないままな気がする」


大切な事。


「悠もやけど、日和も自分からもうちょっと言葉にしなきゃね。伝わらないよ、言わなきゃ」



そうだよね。

「出来るよ。前も出来たやん、クラスの子らに言えたんやから大丈夫!」


桜ちゃんはすごい。

いつも私にたくさんの勇気をくれる。




「私、いつも受け身だよね。ちゃんと言わなきゃだよね。こんな気持ち初めてで…」


「まぁ、悠も曖昧な関係のくせにやる事やってて終わってるよね」


やっぱり手厳しい。


「終わってるってことは…」

私はたじたじ。


「でも幼馴染みとして一応言うと、悠は何も思って無い子にそんな事せーへんよ。アイツはそのへん誠実。ってか真面目?」


桜ちゃんの言葉を聞いて、さっきまであった不安な気持ちは一気に消えた。


「ん?真面目?真面目な奴は付き合う前に手出さへんか」


「わぁー!!もう大丈夫だから!!」


桜ちゃんに会えてよかった。
心が一気に軽くなっていくのがわかる。



「もうほんまに付き合ったらいいやん」

「いや、それはまだわからないよ。鈴原くんがどう思ってるか…」


腕を組んでこっちを見る桜ちゃん。
改めて思うけど、やっぱり綺麗。



「ねぇ桜ちゃん」

「ん?」


「私にメイク教えてくれない?」


桜ちゃんの目がキラキラしてる。



「もちろん!!よしっ!早速買い物いこか!」


「え!今から!?」


「当たり前やん!行くで」



1ミリでもいいから、桜ちゃんみたいになりたい。