どれぐらい経ったんだろう。


玄関にしゃがみ込んで動けないまま。



身体に鈴原くんの体温がまだ残ってる。




さっきの私…なんだったの。

自分でも信じられない。




ゆっくりと立ち上がる。



とりあえず手を洗おう。


洗面所へ向かう。





手を洗いながらふと鏡を見る。




「え…!!」



ドキドキドキドキドキドキドキドキ


やっと少しおさまってきていた心臓が、またうるさく鳴りだす。




首筋に2つと鎖骨に1つの赤いアザ。


胸元の制服のリボンが乱れていて、いつのまにか第二ボタンまで開いていた。




「これって…」

いわゆる、、、

キスマーク……!!??




全てが人生初めての事でもう頭がパニック。




キスマークを指でなぞる。





「鈴原くん…会いたいよ…」





どうしてあんなキスをしたの?

どうしてキスマークをつけたの?




どうして帰ったの?





ねぇ、私の事どう思ってるの?





もう好き過ぎて《付き合ってるフリ》が辛くなってきた。




こんな感情で彼女役はだめ。



私に演技は出来ないよ…。