「んっ…」


キス。


でも、今までとちょっと違う。



長くて、そして


「んんっ…!!」



鈴原くんの舌が私の口に入ってきた。



息の仕方がわからなくなる。



でも、不思議と嫌じゃなくて…
もっとって…




「日和…舌出して」


ドキンッ


「え…や…そんな事できな…い…」


「出来るよ、ゆっくりでいいから…」


「ん…」


キスの合間で一瞬唇が離れた瞬間の甘い言葉。


恥ずかし過ぎてどうにかなってしまいそうなのに

絶対絶対無理なはずなのに





「んうっ…!!」


「…よく出来ました」



鈴原くんの甘い言葉に従ってしまう。




私を抱きしめながら、右手で私の頬を触ってくれている手。

全てにドキドキして止まらない。







「ひゃっ、、」


鈴原くんの唇が私の首筋に移った。



ビクンッ



「や…あ…」



首筋にチクッと痛みが何度か走った。





そして、鈴原くんの顔が私の身体から離れる。





ドキンドキンドキン…


今までに感じた事のない鼓動。


身体は少し震えていて、ちょっと怖い。
なのにやめてほしくないって思っている自分がいる。







「ごめん…怖かったよな」


震える私の手を握って謝る鈴原くん。



「違うの…!これは…」

怖かったのは本当。

でも、違うの。謝らないで。




「俺、やっぱり帰るわ。またな」


「あっ待って…!!」



鈴原くんは帰っていった。


追いかけたかった。


でも足が、身体が動かなくてその場にしゃがみ込んでしまった。