結局あれから鈴原くんにもひなちゃんにもどんなけ問いただしても、あの時どんな話をしたかは教えてもらえなかった。



そんな今日は木曜日。



放課後、音楽室でもう一度鈴原くんに聞いてみよう。






終礼が終わり、音楽室へ向かう。



「桜ちゃん、加藤くんバイバイ」


「うん、また明日ねー♪」

「おう!またなー」



桜ちゃんと加藤くんは一緒に帰るみたい。

そう言えばあれから足立くんとは連絡取っているのかな?


今度桜ちゃんに聞いてみようかな。

厚かましいかな!?



うーん。。。




悩みながら歩いていると後ろからポカっと頭を叩かれた。


「鈴原くん!!」

一気に心臓はドキドキ。
まだまだ全然鈴原くんに慣れない。



「また何悩んでんの?」


「え!なにも!?」


「ふーん」


桜ちゃんと足立くんの事は…勝手に話しちゃダメだよね。



「日和、今日の弁当もほんまうまかった」

「それならよかったー♪レシピ見て頑張ったよ!」


「ありがとう」

私の頭をくしゃくしゃと撫でる鈴原くん。


その手から伝わる体温にすらドキドキしてしまう。




もっと触れたい。


最近の私はおかしい。



もっと触れたい、触れてほしいって気持ちが止まらない。


私、何を考えているんだろう。



彼氏役の人に。


鈴原くんの優しさに甘えて勘違いしそうになっている。





音楽室に着いて扉を開けるとひなちゃんがいた。



「え!どうして!?」

「俺が呼んだ」


鈴原くんが!?



ひなちゃんは鈴原くんに対してペコッと一礼した。



「この前俺らが話した事やけど」


ドキンッ


私が知りたかった事。



「やっぱりそれは全部は言われへん」

「え!?」

「男同士の話やから。わかってほしい」


男同士。。。
そっか。。。


「ただ…」


「俺から話します、鈴原さん」


前はアイツって言っていたのに、ちゃんと鈴原くんを名前で呼んだひなちゃん。