グッ!!


腕を掴まれて動けず、逃げ出すのに失敗した。



「日和、見てってよ」


思った通り、女子生徒たちの視線は私たちの方へ向けられた。



「ひなちゃん、手を離して」

とにかく、まずは手を離してください。
視線が怖過ぎる。


色々聞きたいことがあり過ぎるけど、ひとまず今はこの場から逃げ出したい。



「見てくれるんだったら離す」

「ひなちゃん、わがまま言わないで」


ギュッ

腕を掴む力が強くなった。




「俺がバスケしてる姿最近見てないだろ?久々見てよ」


私が中3の頃に見て以来。


本当は見たいけど視線が…



「オッケー!じゃあ2人で一緒に見るね♪」

モゴモゴしてる私を見兼ねてか、桜ちゃんが言ってくれた。




「前川ー!何してるんだ、戻ってこい」

ちょうどそのタイミングで先生に呼ばれたひなちゃん。


「じゃあ、2人で見てってくださいね」

そう言ってひなちゃんは戻っていった。




私はものすごい視線を受けています。