嫌なことを思い出したせいか、朝からずっと真白の心はどこか重かった。仕事も集中できず、ミスが目立ってしまう。西宮には心配されてしまった。
「氷室さん、体調でも悪いの?」
「あっ、いえ……。大丈夫です」
「そう?なら、これあげるから頑張って!」
「ありがとうございます……」
西宮が渡してくれたのは、一本の缶コーヒーだった。真白は味を確認する。ブラックだった。真白は「どうしよう」と心の中で呟く。真白はコーヒーより紅茶派だ。コーヒーは砂糖とミルクをたっぷり入れて何とか飲める程度である。しかし、先輩から貰ったものを捨てたり、誰かにあげることなど失礼だろうと真白はコーヒー缶を持ったまま、休憩スペースにいた。
社員食堂や中庭が併設された休憩スペースは、学校の体育館よりも広く、様々な部署の人たちが訪れる。普段関わりのない部署の人同士が交流できる場として、社員たちの多くが利用している場所だ。真白もその一人である。
「どうしよう、これ……」
「氷室さん、体調でも悪いの?」
「あっ、いえ……。大丈夫です」
「そう?なら、これあげるから頑張って!」
「ありがとうございます……」
西宮が渡してくれたのは、一本の缶コーヒーだった。真白は味を確認する。ブラックだった。真白は「どうしよう」と心の中で呟く。真白はコーヒーより紅茶派だ。コーヒーは砂糖とミルクをたっぷり入れて何とか飲める程度である。しかし、先輩から貰ったものを捨てたり、誰かにあげることなど失礼だろうと真白はコーヒー缶を持ったまま、休憩スペースにいた。
社員食堂や中庭が併設された休憩スペースは、学校の体育館よりも広く、様々な部署の人たちが訪れる。普段関わりのない部署の人同士が交流できる場として、社員たちの多くが利用している場所だ。真白もその一人である。
「どうしよう、これ……」