呼び出されて真白たちに背を向けて歩いて行く西宮を見ていると、真白の肩がトントンと叩かれる。瀧が満面の笑みを浮かべ、目の前に立っていた。
「氷室さん、困ってたでしょ?助けに来たよ!」
その姿は、まるで飼い主に褒められるのを待つ大型犬である。真白はため息を吐いた後、瀧を冷たい目で睨み付けた。
「……別に困ってなんかないわ。あなたの助けなんて不要よ」
瀧から笑顔が消えていく。それを見て、真白は「またやってしまった」と自己嫌悪に陥る。西宮の質問に困っていたのは事実だ。助け舟を瀧が出してくれたことに本当はホッとしていた。しかし、口は心とは裏腹のことを言ってしまう。
「部署に戻らなくていいの?営業部って暇なのかしら?」
また冷たい言葉を放ってしまう。瀧は何も言わず、総務課を出て行ってしまった。
瀧の背中を見送ってから、ずっと真白の頭の中にはあの最悪の出来事がグルグルと渦巻いていた。雪が嫌いになった日のことだ。
『お前、いつもツンツンしてて俺のこと好きかわかんねぇんだよ。俺がいなくたってお前は平気だろ?でもあいつはお前と違って放っておけないからさ〜』
「氷室さん、困ってたでしょ?助けに来たよ!」
その姿は、まるで飼い主に褒められるのを待つ大型犬である。真白はため息を吐いた後、瀧を冷たい目で睨み付けた。
「……別に困ってなんかないわ。あなたの助けなんて不要よ」
瀧から笑顔が消えていく。それを見て、真白は「またやってしまった」と自己嫌悪に陥る。西宮の質問に困っていたのは事実だ。助け舟を瀧が出してくれたことに本当はホッとしていた。しかし、口は心とは裏腹のことを言ってしまう。
「部署に戻らなくていいの?営業部って暇なのかしら?」
また冷たい言葉を放ってしまう。瀧は何も言わず、総務課を出て行ってしまった。
瀧の背中を見送ってから、ずっと真白の頭の中にはあの最悪の出来事がグルグルと渦巻いていた。雪が嫌いになった日のことだ。
『お前、いつもツンツンしてて俺のこと好きかわかんねぇんだよ。俺がいなくたってお前は平気だろ?でもあいつはお前と違って放っておけないからさ〜』