「── って」

「え、なに?」

「もう帰って!!」

「え、ちょっ……」


私は絢斗にセクハラをした挙げ句、逆ギレして、部屋から追い出してしまう始末。


──── オワッタ。


万年拗らせていた初恋も、なにもかも、全て呆気なく終わった。


「……っ、もう……こんなの無理じゃん……っ」


叶わない恋だって、そんなの分かってた。絢斗にとって私は、ただの幼なじみでしかなかったことも。でも、もしかしたらって……その希望が捨て切れなかった。


「……っ、もう……無理」


──── 翌朝。


毎朝の日課だった絢斗のベッドへ侵入することも、一緒に登校しながら躓いたフリをして、腕に胸を押し当てることもしなかった。


「おはよ~うって……ええ!?西宮君は!?」

「うわっ、珍しいこともあるもんだね~。季節外れの雪でも降るんじゃなぁい?」

「あの未琴が西宮と一緒じゃないなんて……どうしたの?」


私の親友(中学の時から)達が、目を見開いて驚いている。


「詩織……美里……楓……私、もう諦めた」

「「「……え?」」」

「降参降参!もうね、惨っ敗。お手上げ~~!これ以上ピッチピチのJK時代を棒に振るとかマジで無理すぎ~」

「本当にそれでいいの?」

「うん!!いいの、いいの!!」

「……そっかぁ」

「未琴が決めたことなら……」