えっと、それからぁ……一緒に登下校している時、躓いたフリをしてムギュッと絢斗の腕にしがみつく。さりげないボディタァァッチ……というやつね。


「あっ、ごめん!躓いちゃったぁ~。私ったらそそっかしいなぁ、もう」

「どんくさいね」


長い前髪のせいであまり表情が読めないけど、おそらく絢斗は真顔。


──── ねえ、そこそこな乳が君の腕にブチ当たってるんですけど?『ちょっ、ちょっ!!未琴っ、そのっ、あのっ!!だ、大丈夫!?』とか言って、たどたどしく赤面するでしょ、普通は。


ま、私が愛して止まない絢斗が“普通”なんて規格に収まる男ではないってことは、私が一番よく分かってる。だって、“この私が”愛して止まない男だから!!


えーーっと、あとはぁ……誰かしらに告白された時、それとな~くさりげな~く絢斗に『告白されちゃった……どうしよう……』的なアピールをしてみたりして。


「今日、隣のクラスの山田君に呼ばれっ……」

「へぇーー」

「告はっ……」

「ふーーん」


長い前髪のせいであまり表情が読めないけど、おそらく絢斗は真顔。


──── ねえ、端っから聞く気がないのはさすがにやめて?『そっか……。山田君にはなんて返事をしたの……?』とか言って、少しくらいは落ち込むでしょ、普通!!