「まあ、もうバレちゃったものは仕方ないし、結果オーライっていうか……俺達ふたり“だけ”の秘密ができたのは、素直に嬉しいなって」


──── 秘めごとは突然に。ってやつね。


「ねえ、こっち向いて?篠宮さん」


私の後ろで瀧川くんがしゃがんだ気配がする。きっと私と目線を合わせる為にしゃがんでくれたんだと思う。

瀧川くんの優しい声に導かれるよう後ろへ振り向いた私。

やっぱり瀧川くんはしゃがんでいて、私と目が合うとニコッと笑って頭を愛でるように撫でている。


「篠宮さん、俺のものになってよ。君が欲しい……君の全てを俺にちょうだい」


文哉とは違う、こんなにも求められたことはない。きっと瀧川くんは本気で私のことを──。でも、瀧川くんのことよく分からないし、好きとかそういう感情がないのに中途半端なことをするのは、瀧川くんにも失礼だよね。

 
「瀧川くんの気持ちは嬉しいけどっ……」

「今すぐ答えを出さなくてもいいよ?俺は君のことずっと好きだったからアレだけど、篠宮さんからしたらいきなり過ぎるもんね。ゆっくり考えてくれればいい。その間、俺はたくさん君に愛を伝えていくよ。もう我慢する必要も遠慮する必要もないしね。安心して?必ず俺に惚れさせてあげるから」


そう言うと、瀧川くんの顔がおもむろに近付いてきて触れ合った唇。


──── キスは突然に。


「ごめん、もっと欲しいな」

「え、ちょっ……んんっ!?」