「どいつもこいつも……いい加減にしてよ……」

「あ?」

「これ以上、私の人生をメチャクチャにすんのはやめてって言ってんのよ!!アイツのこともアンタのことも、知ったこっちゃないわ!!本っっ当どうでもいい!!無関係な人巻き込むなっての!!勝手にやってろよ!!」

「よく吠える女だな、オマエ。俺が誰だか分かって口利いてんのか?」


『知らねーよ』この一言に尽きる。

まあ、どっからどう見ても『893』でしょうね。


ヤクザは突然に──ってやつ?


あーーあ、もう終わったわ、私の人生。こんな柄の悪い男に処女を奪われて、色んな男に回されたりするんだろうな。いっそのこと死んだ方がマシなのかもしれない……いや、死んだ方がマシだなんて……そんなこと言っちゃダメか。

はあーー、あれもこれもそれも全っっ部『モ ト カ レ』のせい──。

心の奥底から出た本音は『シネ』──だった。


「にしても、あの男の女にしとくには勿体ねえな?見た目だけは……な」


あーーそう、そりゃどーも……というか、アイツの女ではないけどね。


「泣いて懇願すれば特別に俺の玩具にしてやるよ」


ニタニタしながら私に手を伸ばしてくる男。もう少しで私の頬に男の手が届く……その時だった──。

背後から『殺意』を感じる……いや、今まで殺意なんて感じたこと無いから、これが殺意なのかは不明だけど、間違えなくソレに近いナニかだと感じざるを得ない。