2日後、病院から戻ってきた社長が会議室に秘書課全員を集めた。

そこで社長がしばらくの休みをみんなに告げる。

入院はゴールデンウィーク明けから検査をして手術は6月中の予定ということだった。

そこで、シンガポールにいる息子を呼び戻すと言った。

「え?」みんなが驚いたのは、息子は入社2年目の24歳、それも副社長として辞令を出すというのだ。

確かに副社長は今の組織では不在、会長が社長の時に今の社長が副社長だったのは聞いてはいた。

怜花は会長が社長のいない間の仕事をすると思っていたが「社長、息子さんはまだ経験が…その若すぎるのでは?」専務が言った。

確かに…なんなら専務も部長も会長の頃からの人なので社長より年上だ。

「みんなの言うこともわかるよ、経験不足だが今の若い社員が自分の意見も言いやすいようにしなければいけないと最近のニュースとかを見ていても思うんだよ、時代に合ったやり方も取り入れたい、最近は若くて起業している人も多いだろ?」

「それは…その通りです…若い人は多いと思います」

「9月の創立記念パーティーまでには僕も復帰したいし、いい機会だからそこで息子の紹介もしたいと思っているよ」

最後に社長は本当は5年後くらいを考えていたと専務と部長に言った。

頼りにしてるよと言われて2人は納得したようだった。