『ゆびきりげんまん、うそついたらはりせんぼんのーます、ゆびきった!』
目覚まし時計の音が部屋に響く。
「うーん…」
バチッと平手で叩いて目覚まし時計は静かになった。
時刻は7時、「ふぁ〜」とあくびをしてムクっと起き上がると背伸びをした。
佐野怜花(さのれいか)、とても朝が弱い…
久しぶりにまたあの夢を見た。
小さい頃から時々ゆびきりをしている夢を見る。
怜花は右手の小指を見た。
「何で顔は憶えてないんだろ…」
どこかの花畑で男の子?とゆびきりをしてるんだけど顔も名前も思い出せない。
ただの夢だけかも知れないし、夢なんだから本当にあったことじゃないってのも全然有り得る。
何か今日は約束を思い出した。
『大きくなったら僕のお嫁さんね、怜ちゃん、約束…』
私、こんな恥ずかしい約束をしたのかな?
長い髪をくるんとまとめて熱いシャワーを浴びて目を覚ます。
怜花の朝のルーティンだ。
腰近くまである髪の毛は夜のお風呂で洗い髪の美容液をたっぷりつけるのにいつも朝は何故かボサボサ
シャワーから出るとシュッシュッと好きな匂いをかけてアイロンでストレートに伸ばす。