「聞いてもいい?」

「ああ」

「東条くんは、私以外のオメガに会ったことはあるの?」

「ないけど、それがなに?」


 ……やっぱり。


「この先、運命のオメガに出会ったらどうするの?」

「運命のオメガ?」

「首を噛んだ私を捨てるの?」


 オメガの私は、一生のうちに(つがい)を一人しか作れない。

 でも東条くんは違う。

 アルファは何人でも番を作って、侍らせることができる。


 私より可愛いオメガに出会ったら?

 目が合った瞬間に惹かれ合う、運命の番が現れたら?


 やっぱりそっちの子の方がいいってなるでしょ。

 私との縁を切って、運命の番を溺愛したくなるでしょ。


「私はもう二度と傷つきたくないの! 誰かに捨てられたくないの!」