昨日読んだマンガの看守(かんしゅ)だ。

 凶悪犯を閉じ込める、牢獄の番人。


 『俺の言うことを聞かない奴は極刑だ!』

 と八重歯を光らせながら、犯罪者の首に縄を巻き付けていて……


 ひぃあ!

 東条くんの目が座っているような……


 喧嘩で負けなしの最強総長様だし。

 まさか彼のネクタイで、私の首を締めあげる気じゃ?


 いっ、いやいやいや。

 生徒会長の東条くんが、そんな犯罪めいたことをするはずが……


「なんで俺を見上げながらビビってるわけ?」


 ひゃい!

 バレてる! 私が怯えていること。


 いいいっ言えないよ、冗談でも。

 東条くんの波打つ黒髪と鋭い目に、軍帽が似合いそうですね……とか。

 軍服を着てムチを持ったら、昨日読んだマンガの看守そのものです!

 ……なんて。