私――――神田(かんだ) 麻里(まり)は、ごく普通の中学一年生だ。趣味は読書。苦手な物は辛い物と虫。勉強と運動は中の上ぐらい。特技は特にない。
こんなどこにでもいるような私に唯一みんなと違うことがあるとすれば...
「まり。」「まーりちゃん!」
...超イケメンな双子の幼馴染がいる事。
「二人ともどうかしたの?」
「別に」
「ただ麻里ちゃんがいたから声かけてみただけなんだけど...もしかして今話しかけるのは迷惑だったかな?」
「全然!琉生君も留亜君も聞き上手だし話も面白いから話してて楽しいしね!」
「そっか。良かったよ。」
「別に、麻里が瑕してる事くらい、見てわかる。」
この二人の名前は、優しい男の子が日下部(くさかべ) 琉生(るい)君。
もう一人のクールな感じの男の子が日下部(くさかべ) 琉亜(るあ)君。
ニ人とも一卵性だから顔は全く同じだけど、性格はあまり似ていない。
こんなイケメン幼訓染が二人いるだけですごいけど…
なんと琉生君と琉亜君は私の護衛なんだ!
なんでも私が小三の時に告白された事をパパに相談した時に
「麻里は可愛いから周りの奴が麻里の事を放っておくわけがない!変な奴にからまれたらどうしよう!」
と騒ぎだしたので、日下部さんが琉生と琉亜を護衛にと言ってくれたのだ。
幸い家は憐同士なので今のところは困った事もなく毎日とても楽しい!
ちなみに今は学校にいる。私、琉生君と琉亜君は小学生の頃から...いや幼稚園の時からずっと同じクラスなんだ!
なんて考えていると、二人にけげんそうな表情をされた。
「…麻里ちゃん?話きいてた?」
…ま、まずいい。なんとか言い訳しなきゃ…
「言い訳はすんなよ?すぐに分かるから。」
ギクッ。二人ともこういう時すぐに分かるから、いつも言い訳するけどそれもみすかされてる…
でも私だって二人の事はよく知ってるもん!うまく誤魔かしてみせる!
琉亜君の手にはスマホ。そこの写真は…う、ちらっとしか見えなかった。...でもねっ!
「きいてたよ?二人が昨日観たいって言ってたサッカーの話でしょ?」
私が自信満々にそういうと琉亜くんは目を見開いて
「お前が話を聞いていたなんて珍しいな。...明日は雪か?」
んなっ!失礼なっ!...まぁ、本当は聞いてなかったんだけどね♪
「私だって話聞くくらいはできるよ!」
実は私は家族にも琉生君にも琉亜くんにも言ってないけど、映像記憶能力を持っている。
映像記憶能力とは自分が一度聞いたり見たり聞いたりしたことは絶対に忘れないんだ!
でもまぁ時々これが嫌なんだけどねー。
「ともかく!学校行くよ!」
「「はーい」」
三人で登校すると、いつも目立ちつ。なんせ、イケメン二人が歩いているのだから仕方がない。