あれから1週間が経ち、校庭の桜の木は花びらが散り、鮮やかな緑色の葉をつけた。
「最近、陸斗くんとはどうなの?」
お昼休み。友達の栗山香澄ちゃんが、卵焼きを口にしながら聞いてきた。
私は今、香澄ちゃんと教室で机を向かい合わせにしてお弁当を食べている。
「んー、最近はあまり話せてない……かな」
陸斗くんとは朝会ったら挨拶を交わすくらいで、それ以上の進展はない。
それだけでも私は、十分なんだけど。
「まぁ、今は陸斗くん隣のクラスだもんね」
「うん。でもね、今日の放課後に図書委員会の当番があるから。陸斗くんに会えるんだ」
今年も奇跡的に、陸斗くんと同じ図書委員になれた私。
隣のクラスの陸斗くんと一緒の当番になったから、会える!