(本当に。
私は最後まであなたを裏切って,言葉を遮りさえもするけど)
「あなたは最初で最後の,私の弟子よエヴィー。もっと誇りなさい。そして─────さよなら。エヴィー」
(私を何度も大好きだと言ったあなたに。同じものは返せない。代わりに,師匠として最大の栄誉を,言葉を花束の代わりにあげるわ)
「ほら泣かないで,エヴィー」
(お互い元の生活に戻るだけ。死ぬ訳じゃない。
……だって,仕方ないでしょう? あなたは,後は勝手に資格取得年齢になるのを待つだけの,未来ある魔導師で)
私は独りで暮らし続ける,森の魔女。
(あなたの存在自体が,きっと奇跡だった)
「い……いやだ,いやだ……!!!!」
最後の最後に,本当に驚く。
長い時間の中で初めてエヴィーのこぼしたわがままが,そんなに優しいものだと思わなかった。
「ほらエヴィー,日の高い内に。
19の女性が,そんな泣き方しないの」
顔面ぐちゃぐちゃで,怒ったように私を見る。