それから私は,持ち前の精神力を振り絞って,1日で回復した。

エヴィーの心配にも気付かないふりをして振る舞えば,エヴィーもなにも言わなくなって。

日々,エヴィーに教えることがなくなっていく。



「ふふエルさん聞いて。私ね,明日デートの約束をしたの」

「あぁダニー? 久しぶりじゃない。それにしても毎回律儀に報告しなくてもいいのよ。明日は休むとだけ言っても今更怒ったりしないわ」



明日はきっと生理が重いだの,誕生日は家にいるように言われただの,彼氏とデートだの。

エヴィーは私になんでも明確にしてから休みをとった。

ここに来るのは仕事じゃない。

得られるものだって,形ないものばかり。

それなのに一々連絡をいれるのだから,私もその都度軽く言う。

その日は,意外にもエヴィーからいつもと違う返事が返ってきた。