息を取り戻した時には,怒りが湧いた。
そうするしかなかった私の行動が,まるで全てに起因するかのように責を押し付けて。
嘆くように私を見つめるその瞳を見ていると。
初めて,涙が溢れた。
彼の最後のいいわけは,嘘を言っているようにはみえなくて
『いいわよ,もう』
手違いで殺されそうになったことよりも,ハリーが危険な依頼を出したことを否定してくれないことが
『ハリーが本当に私を脅かそうとしたなら,そんなのもうどっちでもいいわ』
愛なんてどこにもない。
『やめろっ私を殺すな,野蛮な娘め!』
ただ私は王弟を見つめただけだったのに。
そんなんだから,と言って。
父は打ち首に,母は病に倒れ,親族は幽閉または強制労働を強いられていると聞かされた。