初恋ダイアリー

遥斗先輩は人気者

それから、あっという間に、放課後になった。
「ねえ、鈴華、今日、カフェ、行かない？」
「いいね。行こうか」
私は、いつものように、友達と話していた。
「立川さん、居る？」
いきなり、聞き覚えのある声が飛び込んで来た。
「遥斗さん」
そして、教室に入ってきて、遥斗さんは私の目の前で止まった。
「よかった、まだ、帰ってなくて、一緒に帰ろうよ」
「ちょっと、待ってください！ここ、教室です」
「え？」
気づけば、私と遥斗さんの周りをたくさんの生徒がいて、私達を見ていた。
「どういう事？」
あっち、こっちで、私への視線があった。
「鈴華、風宮先輩と、どういう関係？」
「えっと」
「待って。俺が言う」
遥斗さんの横顔は真剣そのものだった。
「鈴華に俺から告白した。それで、付き合う事になった。ただ、それだけだから」
そして、私の手を掴んだ。
「それじゃ、鈴華は連れてくから」
私達は教室を出て、屋上に来た。
「鈴華、ごめん。俺のせいで友達居なくなっちゃったかもしれない」
「驚きましたけど、それで居なくなったら、それまでだったって事ですよ。なので、謝らないでください」
「鈴華って、こう言うところ、きっぱりしてるよな」
「と言うか、遥斗さん、めちゃくちゃ、人気者じゃないですか！そっちの方が驚きましたよ」
「そう？中学の頃からだったし、慣れたものだけど」
「遥斗さん、それは慣れたらダメです」と私が言うと遥斗さんは笑った。何がおかしかったのか、分からなかったけど、遥斗さんの笑顔につられて、私も笑った。
こうして、私と遥斗さんの恋を知るための付き合いは始まった。