ふぅ…スッキリした…

髪も整えたし、顔も洗って、朝の身支度が終わった。
やっぱりまだ慣れないなぁ…

そう思いながら歩いていると、部屋から出てきた誰かとぶつかってしまった。

「いってぇな…誰だよ」

「ひっ…」

け、慶くん…

いつもより明らかに機嫌が悪そうな慶くんとぶつかっちゃった…どうしよう…

「あ?お前か。お前、目ついてないのかよ。ちゃんと前見とけよ…」

そう言って立ち去ろうとした慶くんを見て、食堂!と思い出し、勢いよく腕を掴む。

「あ、あのっ!慶くん!食堂の場所、教えて欲しいんだけど…」

「あ?食堂…?あぁ、そういえばまだ行ってないんだっけか。俺も丁度食堂向かう所だったから一緒に行くぞ」

そう言ってスタスタと歩いて行った慶くんの後ろを、私は急いで追いかけた。




「え、これ、お店とかじゃなくて…?」

目の前に広がるのは、まるで都会にある、少し小さな木造の食堂の様な場所。

「金は取らねぇよ、好きなとこ座って、食いたいもんあったらそこのタブレットに番号いれれば持ってきてくれる。」

そう言って慶くんはカウンターに座りスマホをいじり始めた。

私は、壁側の席に座る。

わぁ、メニューも豊富だ…