「うーん、とりあえず今のところは何も情報なしかなぁ...質問に一切答えない。」

久我くんが困ったような顔でそう言った。

「あ？そしたら、無理やり情報吐かせるしかない...」

「ちょっ、だめだめだめ！ダメだよ！それは！」

手をポキポキと鳴らせた桐谷くんを久我くんが慌ててなだめる。

暴力でどうにかするのは、なんか桐谷くんっぽいな、あはは、

「陸斗様、ただいまお風呂の準備が出来ました。」

廊下の方から、サングラスをつけたゴツい男の人がそう言いに来た。

見た目に反して、すごい丁寧に話す...それより、久我くんって様付けで呼ばれてるんだ...

「陸斗は、時期組長だからな。いわゆる、若頭。そりゃあ皆敬語で話したりするだろ。」

久我くんとサングラスをつけたゴツい男の人が話している途中、そんなことを考えていると桐谷くんがそう話してくれた。

久我くん、若頭なの？！漫画で見たことあるけど、相当上の階級だよね...
まだ高校2年生なのに凄いなぁ、

...ってそれより、なんで私が思っていること分かったの？！
もしかして、口に出しちゃってたり...？

「お前、考えてること顔に出すぎ。わかりやすい。」

「え、そうかな、桐谷くんが超能力者っていう可能性は...」

「ありえない。」

そ、そうですよねー、
私、そんな顔に出やすいかな？たまに冬麻にも言われることあるけど...

「ってか、お前、その︎︎＂︎︎︎︎桐谷くん＂︎︎って呼び方やめろ。今日からしばらく、一緒に住むんだし、あと、桐谷って呼ばれんの嫌いだから。」

不機嫌そうな表情でそう言った桐谷くん。

たしかに、今日から一緒に住むなら、苗字呼びは違和感あるよね...

「分かった！えっと、そしたら...」

...
......

あれ、桐谷くんの下の名前って、なんだっけ、
何度か久我くんが呼んでいるのを聞いたことがあるけど、
ってか、さっきも言っていたような...