「うん。あれ面白いよね。2、3回は見たかな。って、変だよね、俺みたいな男がそういうの見てるの。」

「絶対、そんなことない!」

まず、好きに性別関係ないし、とのわたは男女関係なくハマる物語だと思う!
まぁ、そんなこと言ったら「オタク過ぎない?」引かれそうだけどね...あはは

ちらっと、久我くんの方を見る。

「ふふっ、そっか、やっぱり、松田さんは優しいね。」

優しい笑顔...

久我くん、極道の人らしいけど、全然そう見えない。

だって、こんな優しく笑う極道、聞いたことないよ。

「松田さん、実は、1つお願いがあるんだよね。」

「お願い?」

なんだろう。
不思議な表情をしているが、どこか優しさの残っている表情。

「きっと、今の久我組を救えるのは、松田さんしかいないと思うんだ。」

「え?ど、どうして?」

「今の久我組は、実は凄い深刻な状態で...仲間なのに仲が悪かったり、引きこもってしまう人もいたり、俺が時期組長候補になった途端、今まで統一されていた久我組が、壊れていっているんだ。」

切なそうにそう言った久我くん。

その姿に、私は心が痛くなる。

きっと、久我くんはずっと苦しんできたんだろう。
そういえば、今日の朝、久我くんが「学校の方が落ち着く。」みたいなことを言っていたのを思い出した。

「本当は、俺一人で頑張んないとなんだけど、どうしても無理なんだ。だから、どうか久我組が少しでも良くなるように、手伝ってほしい。」

久我くん...

もちろん、いつもお世話になっているし、沢山手伝ってもらっているから、返事は決まっている。

「私が出来ることがあれば、何でもやる!だから、そんな悲しそうな顔をしないで?」

「っ!松田さん...ありがとう...本当に、松田さんには沢山助けて貰ってるなぁ、」

ふふっ、なんでそんな感動したように言うんだろう。