りゅうちゃんのお母さんとは、りゅうちゃんと出会って直ぐに仲良くなり、中学の頃は一緒に買い物に行ったり…と、もう1人のお母さんのような存在だった。
高校に入ってから、中々会える機会が無かったんだよね。
久々に話したい…

でも、今日は行けない…

「ごめん、りゅうちゃん、今日ちょっと予定あって、また今度行きたいな…!」

「予定?あぁ、分かった。じゃあまた今度な。」

そう言うと、りゅうちゃんは少し悲しそうな表情になった。

くっ、昔からりゅうちゃんのこの顔には弱いんだよなぁ、
でも、本当に今日は外せない用事なんだ。

「ほら、恵麻着いたぞ」

「あ、本当だ」

久々にりゅうちゃんと一緒に帰って、沢山お話したから、時間が過ぎるのが早かったな…

「そんじゃ、また明日な。恵麻。」

私は、そう言ったりゅうちゃんに、少し驚く。

また明日も、学校来てくれるんだ…

そう思い、少し心が暖かくなった。

「うん!また明日!りゅうちゃん!」

私はそうりゅうちゃんに言って、家の中に入り、部屋にある洋服を次々と手に取り、1階に持っていく。

洋服ひとつひとつを丁寧に身につけて、少し着いていたしわを払うように直す。