あれ?何か変な勘違いしてる…?

「いや、全然そんな事は無いよ…?」

そう言うとりゅうちゃんは、「は?」と言わんばかりの表情になる。

「じゃあ、何で桐谷って奴の事考えてたんだよ。」

「えっと、今日話したんだけど、その時桐谷くん少し冷たいなーって感じて、それに関して考えてただけだよ」


そう言うと、りゅうちゃんは「はぁーー、」と盛大なため息を着き、その場にしゃがみ込んだ。

「えぇ?!りゅうちゃん大丈夫?!」

体調悪くなっちゃった?
私もりゅうちゃんの目線に合わせるようにしゃがんで、何度か「大丈夫?」と問いかける。

「良かった…」

りゅうちゃんはため息と一緒にそうボソッと言った。
しかし、私にはその言葉は聞こえなかった。

「え?何?」

「いや、なんでもない、ほら行くぞ」

今度はりゅうちゃんが早歩きになって、私はそれに追いかけるように歩く。

「あっ!りゅうちゃん!待ってよー!」

さ、流石りゅうちゃん、足が私よりも長いから歩幅も私より断然広い。
これ、私が走っても追いつけないんじゃ…

「あ、そうだ。」

そんなことを考えていると、りゅうちゃんがいきなりピタッと止まった。

「恵麻、そういやこの後俺ん家くる?オカンが恵麻に会いたがってたぞ。」

思い出したようにそう言ったりゅうちゃん。

りゅうちゃんの、お母さん…!