「そうだ。どうして甲田くんは、学校に来ていなかったの?」

久我くんが、りゅうちゃんにそう聞いた。

「あ?お前に関係ないだろ」

「それはどうかな…?」

「…お前、どういう意味だそれ」

りゅうちゃんの表情が、段々と険しくなっていく。

こ、これは不穏な空気…

「あはは、りゅうちゃん、久我くんは信用できると思うよ!しかも、女の子じゃないんだし…!」

そう言うと、りゅうちゃんは渋々「分かった…」と言って、説明を始めた。

「入学早々、女がすげぇうるさかったんだよ。気持ち悪い声で話しかけやがって。俺は恵麻と話したかったのに、アイツらが邪魔して全然話せなかった。最初は耐えてたんだが、めんどくさくなって休んでたら担任から連絡あったんだよ。」

さっきと変わらず険しい表情になりながらそう話したりゅうちゃん。

あの時のりゅうちゃんのモテ具合は、凄かったな…
思わず、乾いた笑みを浮かべてしまう。

「そうなんだ、そしたら休んでいる間は、ずっと家にいたの?」

どうしてそんな事を聞くんだろう…?

りゅうちゃんも、「は?」と言わんばかりの表情をしている。

すると、久我くんはハッとした顔になる。

「ご、ごめんごめん!少し変なことを聞いちゃったね!」

焦ったように手を前で合わせそう謝罪を言った久我くん。

「「「……」」」

…まずい、とんでもなく静かだ、

こういう空気は苦手なんだよなぁ…

今の状況を話すと、久我くんが謝った後から、一言も会話が無く、もう皆ご飯を食べ終わった…という感じです。

でも、久我くんはずっと何かを考えているみたい…な気がする。