「り、陸斗くん、そ、そうだよね！ごめんねー！話入ってきちゃってー！」

女の子の1人がそう焦ったように言って、そそくさと帰って行った。

「ごめんね、あんな声出しちゃって。ビックリさせちゃった？」

すると、さっきのようなドスの効いた声を出したとは思えないほど、優しくそう言った。

「それで、甲田くんとは、」

「あ、実はりゅうちゃんとは幼稚園から一緒なんだよね。」

「へぇ、幼なじみって事？」

うん！と首を大きく縦に振る。

「そうなんだ。だからあんなに仲良しなんだね。」

ふふっ、仲良しだなんて、ちょっと照れる。

私としては、りゅうちゃんはもう1人の弟みたいな存在。
さっきも言ったように、りゅうちゃんは昔泣き虫だったから、よく慰めてたし、幼稚園、小学校低学年の時はずっと私の後ろにいた。
小学校高学年からは、「もう俺の方がでかいから！」と強がって泣くことも少なくなった。

今考えると、りゅうちゃん可愛かったなぁ…
でも今は、背も精神的にも成長していて、もう私が守ることは無いんだな、と少し寂しい。

「あ、そうだ。松田さん、もうお昼食べた？」

「いや、まだ食べてないんだよね。」

「じゃあ、今日一緒に食べない？その時、甲田くんの話も聞きたいし。ほら、僕としてはあまり関わっていないクラスメイトの事も知っておきたいし。」

そう万円の笑みで言った久我くん。