キーンコーンカーンコーンと、気だるげな空間にチャイムの音が鳴り響く。

「はーい、じゃあここまで。授業終わりまーす」

ふぅー、4時間目終了...

今日は学校側の都合で5時間目で終了する。

あと1時間の辛抱だ...!

「キャー!甲田(コウダ)くーん!」

「甲田くん本当に目の保養ー!!」

廊下からそんな女子たちの黄色い歓声が私の耳をキーンと響かせる。

甲田...って、え?!もしかして、りゅうちゃん学校に来たの?!

私は急いで席を立ち、黄色い歓声が聞こえた方へ急いで向かう。

「甲田くーん!なんで学校休んでたのぉ?」

「甲田くん!勉強分かる??教えてあげようかぁ?」

あっ、もしかしてあそこにりゅうちゃんいるのかな...

って、凄い人だかりだなぁ、りゅうちゃんは昔から人気だもんね。

私はスマートフォンを取り出し、りゅうちゃんの連絡先を開く。

[りゅうちゃん!今日学校来たんだね!]

そう送ると、すぐに既読マークがつく。

[恵麻今どこいる?]

[人が沢山いてそっち行けなくて、今は教室の前ら辺にいるよ〜!]

これで伝わるかな、

「お前ら俺の邪魔すんな。本当に邪魔だからどけろ。」

そんなドスの効いた声と共に、周りが一気に静かになる。

「お前らのせいで学校来たく無くなったの分かんねーの?そんな奴らに勉強教わりたくは無い。どっか行け。邪魔。」

そう言って女の子たちは少し怯えた表情をして、両端に寄ったり、その場から離れたりした。

「あ、恵麻」

りゅうちゃんは私を見つけたのか、私を見つめてそう呟くように言った。

「え...?恵麻?」

「もしかして、あの地味な子?」

「は?どういう関係?」

「1年の頃仲良かった気がする...」

...周りの視線が痛すぎる、

できるだけ目立ちたくは無いので、早くこの場から逃げ出したい気持ちを抑え、こちらへ向かって歩くりゅうちゃんを待つ。

「恵麻、連絡マメにくれてありが...」

「りゅうちゃん!ちょっとこっち!」

私はりゅうちゃんの言葉を遮り、りゅうちゃんの手を取って私は走り出す。