「な、え……えぇっ」

「っと、まぁそういう事だ。だから、もし体が当たってフェロモンが出てしまっても解除することは出来る……ちょっと手荒になって悪いけど」

「あ、だからさっき……」


悪かったって、謝ったんだ。

一体なにに謝ってるんだろうって思ったけど……っていうか。


「謝るのは、私の方だよ」

「なんで?」

「だって、蓮人くんをこんなヒドイ事に巻き込んで……本当に、ごめんなさい」

「……」


ポタポタと涙を流す私を見て、蓮人くんは何も言わなかった。

かと思えば「ちょっと席はずしていい?」と、素早く席を立つ。


「すぐ戻るから」

「むしろ私と一緒にいない方がいいから……そのまま授業に戻って、ね?」

「……バカ、違う」

「?」


すると、顔だけチラリとこちらに向けた蓮人くん。

ん? なんか、変に前かがみなような……。