「はや、く……私を、」
「……ん、ごめん」
その時。
ふっと笑った蓮人くんが、なんだか別人みたいで。
今まで見たことない表情に、私の全身が強く反応してしまう。
すると蓮人くんも私が高ぶった事に気付き、すぐに反応した。
「何も怖くないから、安心して」
「あ、んんぅっ」
「そう、自分の体に素直に。上手。
じゃあ、最後にさ。
俺とキスして、桃――」
「っ!!」
ビクンと、体の真ん中に力が入った後。
しびれたような感覚を残して、熱の高まりと興奮は去って行った。
「桃子」
「れん、くん……」
まだ敏感になっている私を察してか、蓮人くんは私に触れないまま頭を撫でるフリをした。
そして「よく頑張った」と。
二人の汗がしずんだシーツを見ながら、私に眠るよう促すのだった。
ੈ✩