「こうならないように、保健室に運ぶ間も触らないよう気を付けてたのにな」

「え、」


ぼんやりする視界の中で見たのは、蓮人くんがキュッて唇を噛む姿。


「悪い、桃子。嫌なら、」


すぐに蹴飛ばしてくれ――


「え、あ……、んっ!」


ベッドのパイプがギッでなるほど、蓮人くんは勢いよく私に跨った。

そしてだんだん顔を近づけて、さっきよりも深く激しいキスを落とす。


「んぁ……っ」


息なんて出来なくて、あまりの激しさに心臓だって爆発しちゃいそうで。

怖い、死んじゃうって……そんな事を思いながらも、私は口の中で、必死に蓮人くんに応えた。

すると蓮人くんの熱すぎる手が、私の体操服を潜る。

そして上へと移動して――


「~っ、あ」

「なに、桃子」

「どう、して……止める、の?」


来る、触られる――と思った場所に、なかなか触れられない手を恋しく思ってしまって……。

自分の手で、体操服の上から蓮人くんの手を握った。