「だ、大丈夫……っ」

「そ? じゃあ気を付けて帰れよ」

「う、うん」


っていうか……あれ?
あれれ?

なんか蓮人くん、普通に接してくれてる。

私が意識しすぎてるだけ?


で、でも……キスしたんだよね? 私たち。

しかも、かなり濃厚なやつを――


「~っ」

「……やっぱり桃子はココで待機。そろそろ委員会も終わるだろうし、皐月と一緒に帰れ」

「で、でも」

「そんな状態の桃子を一人で帰らせられない、って言ってんだよ。それに……」

「……?」


言ったきり、黙ってしまった蓮人くん。

黙って続きを待っていると「とにかく」と、本人から話を変えられる。


「桃子は一人で帰らないこと。いいな?」

「は、はい……」

「ん。じゃあコレ……って思ったけど、床に落ちたしな。俺が飲むわ」


蓮人くんがサッと持ったのは、さっき私に渡しそびれたジュース。

確かに落ちちゃったけど……でも、そんなこと関係ないよ。