バン!

大きな扉の音に肩をすくめる。


でもこうするしか思いつかなかった。

あの企画書に書かれていた内容、

『学校外の族と抗争を起こしそれをDeftが一方的にやってるように見せて撮影し、警察に報告する』


それならその族を私がよんだことにしてしまえばいいと思い、約束の場所に早めに来ている。

それで早く帰ってもらえば……!


と思っていたけれど、実際に来ると分かると怖くなってくる。
足が震えるのをじっと耐えた。


「おー?なんだよDeftが通りかかるって聞いたのに」

「女ひとりじゃねーか」


やっぱり。この人たちは待ち伏せをして朔夜くんを不意打ちで倒すつもりだったんだ。
きっと朔夜くんは強いからそれでも負けないことを見越して、陽向くんはカメラを準備してたんだよね。


やっぱりこんなの間違ってるよ……。



「あ、あの。わたしが呼び出したんですけど、今日はDeftのみなさんいないみたいで、とゆーかやっぱりちゃんと勝負した方がいいんじゃないかなー、あははー」