「ねー、みほちゃん。俺のネクタイむすんでー」


「や、だ!ほら学校遅刻しちゃうよ!」


朔夜くんとの同居が始まってはや1週間。

最近は朔夜くんと日常的に話をするようになって、心の距離も近づいている。


朔夜くんはおもったより怖い人でもなくてわたしは住むところに困らずに毎日をすごせてる。


「えー、結んでくれなかったらここから動かない」



そういうなりなんなり、壁にわたしを追い詰めて手を着いてきた。
近くなった目線にドキ、と心臓が鳴る。



「……はー、やればいいんでしょ」


「うん。みほちゃんはよく分かってんね」


にこにこし始めた目の前の男を睨みながらネクタイを結び始める。


「ほら、朔夜くん身長高いから縮んで!」


「はは、無茶ゆーね」



そう言いながらも膝を屈めてわたしの目線にネクタイの結び目がくるようにしてきた。

男の子のネクタイの結び方なんて知らなかったからリボンのように早くは結べない。