side朔夜
「灰色、ねぇ」
一人眠ってしまったみほを見ながら呟く。
ほんとーにお気楽そうな寝顔をしていて、こいつには警戒心がないのかと心配になってくる。
生徒会の、陽向側の人間のくせに住む場所がなくなったからって俺のところに来ちゃう馬鹿なお姫様。
企画書奪ったのも俺なのに簡単に唇を許してるし。
でも、なんでかな。
こいつの瞳が俺に似てる気がして、いくらでも聞き出せた生徒会の情報を全く引き出すことができなかった。
俺、高梨朔夜は悪役。そーゆー運命、っていうか役割。
そして俺の兄、陽向は誰もが認める良い奴じゃなくちゃならない。
生まれたときから、俺は疎まれていた。
高梨財閥の裕福な家庭。
しかし母親が身篭ったのは愛人の子。
それがバレて母親は家を追い出された。
浮気した母親の子供である双子の俺たちは一緒のはず。なのに俺は母親の愛人の顔にひじょーに似てたらしい。