━━━━━━━というのが全部、先日の話。
「それは災難でしたね」
「うう、ほんとだよぉ……」
本当に生きた心地がしなかったんだもん。
蛇に睨まれた蛙のようだった自覚がある。
パソコンから目を離さず私の愚痴を聞いてくれるのは1つ下、高校1年生の日比野なつきちゃん。
1年生なのにも関わらず、我が校生徒会の書記を務めるという優秀っぷり。
メガネをかけていて普段は無表情なんだけど、笑うととてつもなく可愛いことに最近気づいてしまって、男の子に狙われないかと勝手に心配してる。
そんななつきちゃんに私は昨日あったことを話していた。
「そもそもどうして会長は双子の弟さんと仲が悪いのかな。兄弟なんだから仲良くすればいいのに……」
昨日の夜。
朔夜、くんの声と眼差しはとてもじゃないけど家族に向けるようなものではなかった。
それはあの二人の中に大きな角質があることを表していて……、