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「あのねぇ、それ何回目かしら」


「すみません、必ず明日には返します……」



ただただ顔を下げて謝ることしかできないわたし。

目の前には目を吊り上げている大家さん。


それもそのはず。今月も家賃を払っていないからだ。



先々月の分はなんとか終わったものの、先月の分もまだ払えていない。


今日、日向くんと別れてアパートに帰ってきたら部屋の前で大家さんが待っていた。

家の中には当然お母さんはいない。
帰ってくる頻度もヒジョーに少ない。



だから責められるのは娘のわたしで。


「わたしだって高校生にこんなこと言いたくないけど。明日には必ず返せるのね?」


「……はい、すみません」


ただただ俯いて謝る。


「はぁ、もし明日払えなかったら退去してもらうことも視野にいれてもらうから」


どく、と心臓が嫌な音をたてる。

それは、困る。住む場所がなくなるのはさすがに……。