「エリーヌ、どうかしたかい?」
「今、魔石が光ったように見えて」
「魔石が?」
エドガーはエリーヌの手を取り、バングルをまじまじと見つめる。
「でもきっと光の加減だと思います」
空を見上げたら、太陽は真上より少し下にあった。
太陽光がたまたま反射しただけ。もしくは目の錯覚だろう。
エドガーと揃って魔石を見ていると、遠くで黄色い歓声が上がるのが聞こえた。
「陛下よ!」
「今日も麗しいお姿だわ!」
その会話で皇帝リオネルが現れたのだと知る。みんなの目線の先を辿ると、ちょうど一角獣の噴水の向こうから歩いてくる一団が見えた。
先頭を歩くのがリオネルだろう。艶のある銀色の髪をそよ風になびかせ、切れ長の涼しげな目元で真っすぐ前を見据える。高貴でありながら精悍な顔つきは、噂に違わない美丈夫だ。従える側近たちの中でも背が高く、精緻な刺繍が描かれたターコイズブルーのウエストコートの上からでも、引きしまった体躯が見て取れる。
「今、魔石が光ったように見えて」
「魔石が?」
エドガーはエリーヌの手を取り、バングルをまじまじと見つめる。
「でもきっと光の加減だと思います」
空を見上げたら、太陽は真上より少し下にあった。
太陽光がたまたま反射しただけ。もしくは目の錯覚だろう。
エドガーと揃って魔石を見ていると、遠くで黄色い歓声が上がるのが聞こえた。
「陛下よ!」
「今日も麗しいお姿だわ!」
その会話で皇帝リオネルが現れたのだと知る。みんなの目線の先を辿ると、ちょうど一角獣の噴水の向こうから歩いてくる一団が見えた。
先頭を歩くのがリオネルだろう。艶のある銀色の髪をそよ風になびかせ、切れ長の涼しげな目元で真っすぐ前を見据える。高貴でありながら精悍な顔つきは、噂に違わない美丈夫だ。従える側近たちの中でも背が高く、精緻な刺繍が描かれたターコイズブルーのウエストコートの上からでも、引きしまった体躯が見て取れる。