ニコライが肩を上げ下げする。何度言っても聞き入れてもらえず、困っているようだ。
「アンリ様、今日は陛下からどなたさまもお部屋にはお招きしないようにとのお達しで」
「僕でもダメなの? あっ、エリーヌ! 僕だよ、僕!」
ドアの隙間から中を覗き込んだアンリが、エリーヌを見つけてぴょんと跳ねる。
無視するわけにはいかず、エリーヌもドアに向かった。
「アンリ様、お怪我の具合はどうですか?」
「僕はもうこの通り」
ほら、と言って両腕を広げる。負傷した肩は本当になんともなさそうだ。
「あれほど深い傷を負ったのに……?」
「エリーヌがずっと祈ってくれたからだと思う」
「いえ、私の祈りなんて」
やけに真剣に言うアンリに、エリーヌは首を横に振る。
(まさか、あの詠唱が効力を発揮したの?)
「アンリ様、今日は陛下からどなたさまもお部屋にはお招きしないようにとのお達しで」
「僕でもダメなの? あっ、エリーヌ! 僕だよ、僕!」
ドアの隙間から中を覗き込んだアンリが、エリーヌを見つけてぴょんと跳ねる。
無視するわけにはいかず、エリーヌもドアに向かった。
「アンリ様、お怪我の具合はどうですか?」
「僕はもうこの通り」
ほら、と言って両腕を広げる。負傷した肩は本当になんともなさそうだ。
「あれほど深い傷を負ったのに……?」
「エリーヌがずっと祈ってくれたからだと思う」
「いえ、私の祈りなんて」
やけに真剣に言うアンリに、エリーヌは首を横に振る。
(まさか、あの詠唱が効力を発揮したの?)