アンリは、今度は左に頭を傾ける。
「氷属性」
リオネルがそう言った途端、アンリの目がほんの一瞬だけ冷えたように見えた。
それはリオネルが瞬きをする間に消え失せ、すぐにいつもの色を取り戻す。
「もしかして僕が自分でやったって言いたいの?」
いじけ口調でリオネルを上目遣いにした。
アンリは火属性と氷属性、両方の使い手である。
「それをたしかめに来た。事実はどうなんだ」
「自分で自分を攻撃してなんになるの? 痛いだけじゃん」
まさにその通りだから、こうしてたしかめようとしているのだ。
「氷属性の痕跡があったのは、僕が咄嗟に防御しようとしたせいじゃないかな。間に合わなかったけど。ニコライからも聞いたと思うけど、矢は宮殿の方角から飛んできたんだよ?」
「わかっている」
だが、どうしても釈然としない。宮殿に痕跡がないのだから。
「氷属性」
リオネルがそう言った途端、アンリの目がほんの一瞬だけ冷えたように見えた。
それはリオネルが瞬きをする間に消え失せ、すぐにいつもの色を取り戻す。
「もしかして僕が自分でやったって言いたいの?」
いじけ口調でリオネルを上目遣いにした。
アンリは火属性と氷属性、両方の使い手である。
「それをたしかめに来た。事実はどうなんだ」
「自分で自分を攻撃してなんになるの? 痛いだけじゃん」
まさにその通りだから、こうしてたしかめようとしているのだ。
「氷属性の痕跡があったのは、僕が咄嗟に防御しようとしたせいじゃないかな。間に合わなかったけど。ニコライからも聞いたと思うけど、矢は宮殿の方角から飛んできたんだよ?」
「わかっている」
だが、どうしても釈然としない。宮殿に痕跡がないのだから。