(なぜ、あそこにあのような痕跡が……)
理由はひとつしかないが、なぜそうなのかがわからない。
(まずは本人に確かめてみるべきだろうな)
リオネルは手綱を握り、ニコライと別れて翡翠宮へ向かった。
自室で休んでいたアンリは体の回復状態も良く、暇を持て余していた。
「で、リオネルはなにをしにここへ?」
「容態の確認と」
「〝と〟?」
ひとり掛けの椅子に悠々と座るアンリが首を右に傾げてリオネルを見上げる。
「シャルマン湖での話を聞きたい」
「それなら話したじゃん」
「もっと詳細に、だ」
リオネルは腰を屈め、アンリを真剣な眼差しで見つめて続けた。
「今朝、ニコライとふたりで行ってきたが、現場に火属性魔法以外の痕跡があった」
「火属性以外?」
理由はひとつしかないが、なぜそうなのかがわからない。
(まずは本人に確かめてみるべきだろうな)
リオネルは手綱を握り、ニコライと別れて翡翠宮へ向かった。
自室で休んでいたアンリは体の回復状態も良く、暇を持て余していた。
「で、リオネルはなにをしにここへ?」
「容態の確認と」
「〝と〟?」
ひとり掛けの椅子に悠々と座るアンリが首を右に傾げてリオネルを見上げる。
「シャルマン湖での話を聞きたい」
「それなら話したじゃん」
「もっと詳細に、だ」
リオネルは腰を屈め、アンリを真剣な眼差しで見つめて続けた。
「今朝、ニコライとふたりで行ってきたが、現場に火属性魔法以外の痕跡があった」
「火属性以外?」