それはどっちの意味だと詮索したいのをぐっと堪えた。


「今夜は手を繋いだまま眠ってもいいか?」
「……手を?」
「こうして」


エリーヌの手を取った瞬間、彼女の指がピンと伸びた。


「嫌なら無理にとは言わない」
「……いえ、嫌ではございません」


エリーヌは頬を赤らめ、目を逸らしつつ答える。手から力が抜けていくのを感じた。


「では、眠るとしよう。おやすみ、エリーヌ」
「おやすみなさいませ」


エリーヌの優しい声が、呪文のように眠りの淵に難なく連れ去った。