瑠璃宮まであと僅かの距離で、リオネルが手綱を引き馬を止める。目線の先に人影がふたつあったのだ。
ゆっくり近づくと、それが大公のオスカーとアンリだとわかる。
なにか話している様子に、根拠のない違和感を覚えた。
「ふたりともここでなにをしている。アンリ、容態はいいのか」
「リオネル! エリーヌが倒れたって聞いたから様子を見にいこうと思っていたんだ」
エリーヌによく懐いているアンリなら、それも致し方ないだろう。しかも自分の怪我を手当てしてくれた相手である。
「だがもう夜更けだ。見舞いなら明日以降にするといい。で、大公殿下はここでなにを?」
「私も妃殿下の知らせを聞きまして……」
オスカーは恭しく胸に手をあてながら目線を下げた。
「そなたが心配する必要はない」
なぜオスカーがしゃしゃり出てくるのかと不快感が込み上げる。
「そうなのですが、妃殿下になにかあったらと心配で」
ゆっくり近づくと、それが大公のオスカーとアンリだとわかる。
なにか話している様子に、根拠のない違和感を覚えた。
「ふたりともここでなにをしている。アンリ、容態はいいのか」
「リオネル! エリーヌが倒れたって聞いたから様子を見にいこうと思っていたんだ」
エリーヌによく懐いているアンリなら、それも致し方ないだろう。しかも自分の怪我を手当てしてくれた相手である。
「だがもう夜更けだ。見舞いなら明日以降にするといい。で、大公殿下はここでなにを?」
「私も妃殿下の知らせを聞きまして……」
オスカーは恭しく胸に手をあてながら目線を下げた。
「そなたが心配する必要はない」
なぜオスカーがしゃしゃり出てくるのかと不快感が込み上げる。
「そうなのですが、妃殿下になにかあったらと心配で」